母親ってやつは、割に合わないことばかり。
母親ってことだけで365日休みなく誰かのために動いている。
自分の事なんて棚に上げまくって、誰かのために自分を捧げている。
自己犠牲の連続。ゆっくり静寂を味わう事さえ許されない。
きつい。しんどい。自由になりたい。
それでも
生まれ変わっても、あなたのママになりたい。
「ママ!ママ!」の連呼で逃げ出したくもなるけど、ママと呼ぶその瞳はまっすぐと私を見ている。
ママに言いたい事。ママに見せたいもの。ママに聞いてほしいもの。
100%混じりっけない思いで私を呼んでいる。
まるであなたにとってママは世界の全てのようね。
あなたがいなければ私はもう少しスマートに生きていたかもしれない。
好きな時に好きなことができて、今頃海外で勉強していたかもしれない。
自由を謳歌し、私だけの人生を歩んでいたと思う。
あなたがいなければ私はもう少し穏やかに生きれたかもしれない。
あなたがちゃんと学校から帰ってくるか、病気やケガをせず、怖い思いや悲しい気持ちにならずに大きくなれるだろうかと漠然とした未来に不安になることもなかった。
小さくて温かい手が私のごわついた手を握ってくる。
そのこぼれ落ちそうな柔らかい頬が私に触れる。
深呼吸したくなるような優しい香りをまとったあなたが私を抱きしめてくれる。
真正面から圧倒的な愛で、あなたは私の人生を180度変えてしまった。
あなたに出会わなければ「失うのが怖い」そんな思いにならずに済んだのに。
あなたに出会ったから、これ以上ないくらいの愛を知ってしまった。
この腕であなたを守りきるには限界がある。
あなたはいつかここから巣立つ。
転んでも一人で立ち上がり、再び歩き出せるように、愛情という肥料を惜しみなく与え育てている。
これ以上立ち上がれないと思えるような出来事があったとしても、家族だけは味方だと思えるように。
ここはいつでも安心して帰ってこれる場所だから、思いっきり飛んでごらん。
あなたならどこへだって行ける。なんにでもなれる。
あなたは私の心をいとも簡単にかき乱す。
私をイライラさせることも、鬼にすることもできる。
あなたがふいに手を繋いでくれると心がふわっと温かくもなる。
二人で歩くただの道でさえ、忘れたくない道となる。
いとも簡単に世界を変えてしまう。
すごい力をもっているのね。
この景色、絶対忘れるもんか。
この小さな手を全力で守りたい。
できるならあなたがお年寄りになるまで守り続けたい。
それが出来ないのなら、この思いだけでもこの世に置いていきたい。
いつまでも尽きぬ愛で包んでいたい。
惚れ惚れとするぐらい綺麗な瞳で私を見つめる。
この瞳に私が映る。
あなたの心に私はどんな風に映っているのかしら。
どうか神様、お願いだから、
この子に温かい時間が一日でも多くありますように。
その瞳が濁らず、いつまでも澄んでいますように。
私の願いは一つ。
あなたが幸せな人生を歩めますように。
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