こちらは前回の記事の続きとなります。

Amazonで注文するんじゃ到着まで時間がかかる。今すぐに知りたい!さかなクンのお母さんの気持ちを!
そんな思いで久しぶりに本屋さんで本を買いました。
さかなクンの自叙伝を読む
私が読んだのはこちらの本、『さかなクンの一魚一会』

新聞記事やさかなクンを取り上げる番組でお母さんのエピソードを少し聞いてはいたのですが、ちゃんと本で読むのは初めてだったのでむさぼり読みました。
さかなクンのお母さんって凄すぎる…
もうとにかくですね、ものすごい深い愛情をもってさかなクンを育てたんだなと圧倒されました。
その中でも『愛情・信頼・尊重』のキーワードを強く感じました。
さかなクンの興味関心にとことん付き合う
本の中にお母さんの横顔だけなんとなく掲載されているのですが、古い写真なのでよくは分かりません。でも、とても慈愛に満ちた眼差しをもって彼を育てたんだろうなと感じました。
母は、いつもゴミ収集車をみるたびにはしゃいでいる自分の様子を見ていて、ここに連れてきたらよろこぶにちがいないと、ナイショにして連れてきてくれたのでした。そんな母のサプライズに感動!
(中略)
母の満足気な笑顔は、いまでも鮮明に目の奥に焼き付いています。
『さかなクンの一魚一会』 P14 8行目
そして夕食は毎日のようにタコをおねだり。それでも母はイヤな顔ひとつしませんでした。それどころかお刺身、煮込み、酢の物など味付けを変えて一か月ほども毎日、タコ料理を作りつづけてくれたのでした。
『さかなクンの一魚一会』 P28 4行目

サプライズは出来たとしても一カ月もタコ料理だなんて、お金もかかるし、飽きるし、メニュー考えるのしんどいし発狂しそうで無理!
母に頼んで日曜日になるたびに、関東近辺の水族館へ連れて行ってもらうようになりました。
(中略)
入館してから閉館の時間までずーっと、タコの水槽の前から離れませんでした。
(中略)
そんな自分の姿を見て、母は言いました。
「へえ、タコっておもしろいんだねえ。お母さんもどんどんタコが好きになってきたよ。」
母が、タコの魅力に共感してくれたうれしさ。
『さかなクンの一魚一会』 P28 13行目



毎週何時間も水槽の前にいるなんて飽きるを超えて気が狂ってしまうかもしれない…
しかも、他のエピソードでもさかなクンの興味に付き合って、夕飯の準備を中断して一緒に車に乗って出かけるシーンがあるのですが、これってなっかなか出来ることじゃないですよね!(世のお母さん方よ!そう思うでしょ!)
どこまでもさかなクンの思いに寄り添ってる!っと驚愕しました。
ここで何よりすごいのが、さかなクンの興味関心事であるタコの面白さに共感する姿勢!大好きな人に自分の大好きなことを共感してもらえるってすごく子供は嬉しいだろうな~。
さかなクンを尊重する
子供の興味関心事に付き合うのは表面的にはできるかもしれないけど、さかなクンレベルまで行くと信念がないと親も付き合えない気がします(私なら無理だ)。
さかなクンのお母さんはどう感じていたのか分かりませんが、私は「子供の気持ちを尊重する」という信念があるんじゃないかなと感じました。
「お魚が大好きなんだから、好きなだけ絵を描けばいいよ。」
そう言って、いつも背中を押してくれたのでした。
『さかなクンの一魚一会』 P77 11行目
「お魚が好きならとことんやりなさい。」
という母の姿勢は、畳みが腐ろうとも、いつもどんなときでも変わりませんでした。
『さかなクンの一魚一会』 P113 11行目
「お魚が好きならとことんやりなさい。」
という母の姿勢は、畳みが腐ろうとも、いつもどんなときでも変わりませんでした。その姿勢に、いつもいつも助けられていました。だって一度たりとも、お魚を見たい、飼いたい、描きたいといった自分の中からわき出てくる思いを、ガマンした記憶がないのですから。
『さかなクンの一魚一会』 P113 11行目



畳が腐って沈んでるのにこんな事言えますか!?
私は言えません!!
さかなクンに失敗を経験させる
おっちょこちょいなさかなクン、よく考えれば分かるだろ~!な部分で失敗しちゃいます。しかも一度や二度ではなく、大量にです(笑)
親の私は行動の先の結果が経験上見えているので、子供に「〇〇すると壊れるよ!」「怪我するよ!」などと簡単に言ってしまいます(だってケガさせたくないし、壊れたりすると面倒だし…)。
でもさかなクンのお母さんは全然言わないんですよ!何にも言わないの!
けれども、母はなにも言いませんでした。きっと、なにごとも自分で経験して学んでほしいと思っていたのだと思います。
『さかなクンの一魚一会』 P69 12行目
まさしくお母さんの信念を感じるような部分です。
さかなクンはたくさんの失敗をして、涙し、凹み、辛い思いをするも、そこから多くのことを学んでいったようでした。
いつだってさかなクンの味方
やはり子供も大きくなってくると嫌でも進学の問題にぶち当たります。
いくら興味関心事を尊重してこれたとしても、「勉強もちゃんとやりなさいよ」と言ってしまう自分が目に浮かびます。



大丈夫かよ、入れる学校あるかよ、とハラハラしてる自分も想像できるわ…
少なくとも、こんな返答はできない自信があります…
もう少し、学校の勉強もきちんとやらせるようにご家庭でもご指導していただけませんか。」
すると母はいつもこう言っていたそうです。
「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。」
「しかし、いまのままでは授業にまったくついていけてません。今後困るのはお子さんなんですよ。」
「成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんないっしょだったら先生、ロボットになっちゃいますよ。」
『さかなクンの一魚一会』 P76 8行目



全然勉強しないことに対して、信念のような軸がなければこんな返答できないと思うんだよね。「それでいいんです」と言える強さが私も欲しい!
さかなクンを信じている
興味のアンテナがはってしまえばそれに猪突猛進なさかなクン。後先のことを考えずに「今」の興味にのめり込みます。
その結果、学校を卒業したもののやりたい仕事が見つからないでいる空白の数年間があったようなのですが、そんなさかなクンに対してもお母さんの姿勢は一貫していました。
「一度しかない人生なんだもの。自分の決めたことがいちばんよ。お母さんは応援してるから。」
(中略)
あとから知ったのですが、このとき、親戚やまわりの大人たちから「なぜ定職につかせないのか。」「ちょっと甘いんじゃないのか。と、母はいろいろ言われていたようです。けれど母は、自分にはそんなことは、なにひとつ言いませんでした。ただひたすら、信じて応援してくれていたのでした。
『さかなクンの一魚一会』 P213 13行目
いや~正直、お母さんは結構なストレスを感じていたのではないでしょうか。



私なら小言の一つや二つ、そんなもんじゃ済まない気がします…。
ーなんでこんなに強くいられるんだろう。ー
私なりの解釈ですが、誰よりもさかなクンがさかなクンらしさのまま幸せに生きることを願い、そして必死にそれを掴み取ろうとしているさかなクンを誰よりも応援し、夢を掴むことを信じていたのだと思います。
世界一深いマリアナ海溝(水深約11キロもある!)よりも深い愛情でさかなクンを育ててきたんだろうなと、圧倒されるばかりでした。
お母さんの愛情が無ければ今のさかなクンはいない
本を読んでいて、みんなが出来るような言われたことをそのままやることがちょっと苦手だったりするも、自分の興味にずば抜けた集中力と感性を持つさかなクンが彼の良いところを存分に引き出せた大人に成長できたのも、お母さんの接し方が大きかったような気がします。
厳密に言うと、お母さんだけじゃなく数多くの温かい人に出会えたことで今のさかなクンが形成されているのですが、一番大切な根幹に影響を与え支え続けたのはお母さんなんじゃないかなと思いました。
本音言うとね、読み進めていくうちに「さかなクンが天才芸術家タイプだったからうまくいったんじゃないか」とか「これはおとぎ話レベルの稀な人生だな」とか感じちゃったりもしました。
でもさかなクンはこう言ってました。
好きなことを追いつづけるのはすばらしいです。ひょっとしたら将来の道にはつながらないかもしれません。
途中でスーッと気持ちが冷めてしまうこともあるかもしれないし、まったく別の道を歩むことになるかもしれません。それでもいいと思います。夢中になってひとつのことに打ちこんだという経験は、けっしてムダにはなりません。人生のどこかできっと役に立ちます。
『さかなクンの一魚一会』 P259 14行目
子供が夢中になれるものを見つけられただけでも素敵なことですよね!
そんな物事に対して、大好きな親が一緒に夢中を共感してくれたり、尊重してくれたり、応援してくれる姿勢に触れる経験を通して、子供の中で自己肯定感や家族に大切にされている実感を得られるんじゃないかなと感じました。
そんな実感を心いっぱいにして育った子供は、どんな分野や世界でも自分の道を歩いていけるんじゃないかな。
さかなクンのドラマみたいな人生だけでも面白いのですが、親目線でみてもとても学びが多い良書でした。
全文フリガナもふってあるので小さなお子さんにも是非ともオススメしたい本です!




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